開講講演

低炭素社会実現の正しい方向性について

庄子 幹雄マサチューセッツ工科大学 客員教授

地球温暖化は喫緊に取り組むべき最重要課題であるが、現状では悲観的にならざるを得ない。昨年12月のCOP15で明らかになったように、従来型の政治的政策では先進国、新興国、途上国の間で何一つとして実効性のある成果が得られなかった。そこにあるのは温暖化を名目に、自国への利益誘導を図る各国の思惑であり、日本はその実効性について国民、産業界のコンセンサスを十分に得た上で慎重に歩を進めるべきである。
一方、世界に目を転ずれば、いまだに電気の恩恵に浴せない15億人もの人がいる。これら15億人もの人の電気エネルギーを断絶してまでCO2削減を論じることは、人間の尊厳にかかわる問題である。
今、必要とされるのは政治的枠組みから政策的枠組みへの転換である。従来のように各国が自国利益のみを主張するのではなく、温暖化要因をブレークスルーし各要因ごとに対策を講じる、エリア別に細かく柔軟な対応を行うといった現実的解決法を積み重ねていけば、2020年、Co2 25%削減も十分に可能なのである。
今回、環境草莽塾に参加したメンバーは、この講座で得た経験を活かし、これから環境施策を実行していく上で各界のリーダーとして活躍いただきたい。

庄子幹雄