開講講演

地球温暖化の影響と対策について

中川 雅治参議院議員/元環境省事務次官

地球温暖化に関する概要と気候変動によるさまざまな影響を概観した上で、国際的な枠組みづくり(気候変動枠組み条約)のこれまでと現状について解説を行う。またこれまでの我が国の取り組みについてまとめ、前国会で提案された「地球温暖化対策基本法案」について自民党案、政府案を比較しながら考え方を解説する。

中川雅治

新しい公共と官民関係の再構築

重徳 和彦内閣府 行政刷新会議事務局 参事官補佐

平成21年第173回国会における鳩山首相の所信表明演説の中で「新しい公共」という概念が取り上げられた。新しい公共とは、NPOなどの市民組織と行政が役割分担・責任分担を再定義し、必要な仕事を官民問わず担えるような環境を作っていくことである。そのための寄付税制や民間からの新しい資金の流れなど課題を解決しながら生き生きとした公共の形を模索していきたい。

重徳和彦

気候変動とエネルギーを通して見える世界の景色

西村 六善内閣補佐官室 内閣官房参与

現在の国際社会を見るとき象徴的な2つの風景がある。まずポスト京都議定書への交渉は停滞である。その理由として、アメリカの保守の急進化. 国論の分裂があり、もうひとつに途上国が南北(階級)闘争と認識しており、このイデオロギーから脱却できない点がある。2つめの風景は、低炭素化競争は激化、第二次産業革命へ突入が始まっている点にある。中国は膨大なグリーン投資を行い、第二次産業革命に必ず勝利する覚悟で国策を進めている。一方アメリカは官産軍合体となったイノベーション、ベンチャー・キャピタルによる資本の注入、使徒たちの存在、中国に負けないと言う危機意識をベースにGreen New Dealを推進させている。日本は依然ハードに優位性を持っているがソフト面での問題を抱えている。もの作りからシステム性へ自由な発想で移行する必要がある。

西村六善

ものづくりを取り巻く現状

梶原 成元環境省 地球環境局 大臣官房審議官

ものづくりを取り巻く現状を各種データを基に考察(人口のピークアウト、製造業総付加価値の低下、資源エネルギー価格の上昇、レアメタル等金属資源、国内の消費の低迷、アジア市場の拡大、サービス産業の進展、生産拠点の海外移転、技術の移転、流出)炭素成約の高まりと「ものづくり」低炭素化における課題と我が国の強みを解説する(成長する環境市場、環境規制と競争力の低下、低炭素投資促進の仕組み、消費者意識改革の必要性、国際展開に向けた課題、日本のものづくりの強み)

梶原成元

環境バイオマス政策の推進

西郷 正道農林水産省 農林大臣官房バイオマス政策課長

農林水産省の進める環境施策を1)地球温暖化対策、2)バイオマスの利活用、3)生物多様性保全の3つの視点から解説した。1)地球温暖化対策(農林水産分野における温室効果ガス排出削減・吸収効果等についての試算(中間整理)/中期目標達成に向けた農林水産分野の貢献/吸収源活動の取扱い/農地土壌吸収源対策)2)バイオマスの利活用(バイオマス・ニッポン総合戦略/バイオマス活用推進基本法の概要/バイオマスの利活用例/バイオ燃料のLCA評価について/バイオ燃料地域利用モデル実証事業/バイオエタノール採択地区の事業概要及び現在の状況)3)生物多様性保全(農林水産業と生物多様性の関係は?/農林水産業における生物多様性保全の推進/生きものマークとは?/生物多様性条約及びカルタヘナ議定書について)

西郷正道

国土交通省の環境政策

横田 玲子国土交通省 総合政策局環境政策課 国土環境政策企画官

国土交通省の進める環境施策を1)地球温暖化対策、2)ライフスタイル・ビジネススタイルの変革、3)生物多様性の保全の取組の3つの視点から解説した。 1)地球温暖化対策(国土交通省の地球温暖化対策(中長期目標の達成に向けて)/自動車の燃費の改善/自動車の新たな燃費基準の策定や環境対応車の開発・普及促進等/自動車の燃費改善や環境対応車の開発・普及促進・利用環境整/モーダルシフト推進/グリーン物流の推進/公共交通利用促進/エコ通勤の推進/住宅・建築物の省エネ性能の向上/エコタウンの推進/地球温暖化対策に係る今後の課題)2)ライフスタイル・ビジネススタイルの変革(建築物総合環境影響評価システム(CASBEE)の開発・普及/モビリティ・マネジメント/国・自治体等の率先的な取組のための法制度)3)生物多様性の保全の取組(生物多様性の保全に向けた取組み/民間事業者の参画の促進/都市と生物多様性)

横田玲子

環境産業(公害防止・リサイクル・水)のアジア展開について

植田 拓郎経済産業省 環境指導室長

我が国の発展には、環境・エネルギー、健康(医療・介護)といった日本の強みを活かした成長、もしくはアジアや観光・地域活性化といったフロンティアの開拓による成長が不可欠である。このような視点の中でインフラ関連産業の海外展開において「水」「リサイクル」は重要なファクターとなる。本講座においては、重要な市場である中国における現状と今後の展開を俯瞰する。

植田拓郎

※各講演の後、質疑応答を行った。内閣府重徳氏には夜の懇親会にも出席いただき、受講生と活発な議論をしていただいた。