開講講演

環境法の基本的な考え方

北村 喜宣上智大学大学院 法学研究科教授

1980年代以降環境法政策は持続可能な発展を目標とするようになってきた。ただし「環境権」という概念は法制度になじまない。環境法の環境責任のあり方として「汚染者支払原則(PPP)」「拡大生産者責任(EPR)」がある。環境リスク管理のあり方として事後防止的、未然防止的、予防的アプローチがある。ただし環境法では伝統的比例原則の適応が難しい。どのようなバランスをとるか、リスクコミュニケーションが課題となる。 自治体の環境空間管理のあり方はどのようなものがあるべきかを討論した。

北村喜宣

地域社会における温暖化影響の把握と適応策

田中 充法政大学大学院 法学研究科教授

地域における温暖化影響の把握と適応策の検討・取組状況についてレビューを行い、自治体行政における温暖化の適応策の課題等を抽出した。 地域社会では、温暖化の緩和策だけでなく温暖化影響把握と適応策の必要性・重要性に対する認識が広がりつつある。しかし全体的には温暖化影響の把握に関して、定量的(精度の高い)予測評価はなく、定性的評価にとどまる、また適応は従来からの個別分野(災害、健康、農業等)で取り組まれ、体系的な適応策はいまだ未着手である。 今後は、地域レベルの温暖化影響に関し、精度の高い体系的な観測手法の整備、予測手法の活用が求められる 。

田中充

※講義の最後に江戸川区洪水ハザードマップについて講師、塾生を交えてのディスカションを行った。また講義終了後、北村、田中両講師を交えてのフリーディスカションを深夜まで行った。